出産

8月1日(2日になる前)の夜中11時を過ぎた時点でそれは始まった。丁度、2日になった瞬間には確実だった。桜の息があがり、はぁはぁと言い出した。しかも、落ち着かずウロウロしてたらしい。母の部屋で寝ていたので、状態がどんなだったのか私にはわからないけど・・・

夜中2時を回った時点で私は起こされた。「桜が変なの」と言う。「はぁはぁずっとしてるの。ウロウロしてて、部屋から出してあげたら、一目散にあんた(私)の部屋に来たんだけど・・・どうすればいい?」ってオカンが言い出して、私は父親が飲みに出て遅くに帰ってきたから、それに興奮してはぁはぁしてるだけだと寝ぼけながら思ったのを覚えてる。

私のベッドに来た桜は、巣作りらしい行動を必死に始めた。目が覚め始めた私から見ても、桜の様子がおかしいことがよくわかった。下痢で、何度もトイレに行く。トイレに行ってはベッドに戻ってきて巣作りをしては、天井を見上げてはぁはぁする。私はオカンに「私が見てるからお母さん寝ていいよ」とだけ告げて、桜に寄り添うように眠り、お腹をずっとさすってあげる。さすってあげると気持ちがいいらしく、はぁはぁをやめて口を小さくつぼめてふぅふぅと息が変わり目をつぶる。

ぶぅはぶぅで、桜のそばから離れず、ずっと座って眠りもしないでいた。桜がトイレに行けばついて行き、様子を見てくれていた。桜のお腹をさすりながらウトウトしてしまって、気がついたら、桜はベッドの下に潜り込んでて、出すのが大変だった。まさか、桜がこんなになると思ってなかったもんだから、夜中の1時頃に寝た私は、2時に起こされてかなり眠くて辛い時間だった。(笑)時計は見てないが、明け方の時間帯の頃には、桜のお腹が定期的に堅くなり、堅くなった頃合にどうやらはぁはぁが強くなるのがわかった。それがわかったときに、堅くなると痛いんだってことが理解出来た。

朝になり、桜が食事を拒否したのもあって、病院へ電話した。はぁはぁしだした時間を告げ、体温を告げたら、陣痛が始まってると説明を受ける。時間的に破水するのも近いから様子を見るようにと告げられた。一向に変化がない。夜中からずっとお腹をさすってあげてはいるが、多少痛みが軽くなるだけで、桜の辛さは見ててよくわかるものだった。変わってあげれないのが辛いし、桜自身が乗り越えなきゃならない痛みでもあるから、どうしていいのかハラハラだったよ。

昼になり、先生が「どうだい?」って電話をくれたが、変化がないことを伝えるしかなかった。先生が病院を留守にしてしまうらしく、もう少し様子見てみようってことになったが、3時(15時)になっても変化がないことに不安になり、やっちゃんに電話して相談した。それからすぐに医者に向かった。

内診の結果、破水はすぐに来るらしい。陣痛が少し弱いこともあるが、子供の大きさから全然普通に産めると先生が判断した。問題は、桜に踏ん張る力があるか。破水後、子供が産道に子供が入れるか。破水して、何時間も子供が出ない場合は連絡することになった。先生は「陣痛に苦しむ姿を見るのは辛いだろうけど、それはお産を経験する人誰もがそうだから、頑張って!」と言葉をくれた。

そして、それは6時(18時)に起きた。桜の体内から水が大量に出た。後からこれが一次破水であることを知ったんだけど、先生に「水が出た」と報告。「二次破水があるから」と言われたのはいいが、意味がわからない。人間ってさぁ。いくら勉強してても、実際になったらわからなくなるし、ましてや焦りがあるから特にわからなくて迷うよね。

6時45分(18時45分)
桜の体内から、袋が出てきた。やっちゃんのサイトで勉強した水の入った袋とはまったく違うもの。二次破水はどうなったの?って頭がテンパッちゃって、これまた先生に電話。「赤い液体みたいのが入ってる袋が出てきた」って。「それは子供が入ってる袋の可能性あるから、足か頭が見えるか確認して、出て来るまでそのままで大丈夫だから」って言う。袋をぶら下げたままにしておくことにした。

7時15分(19時15分)
さっきの袋がぶら下がったまま次の袋が出てきた。これはわかった!水の入った袋だ。二次破水が来た。桜が頑張って踏ん張っているものの、破水の袋も、さきほどの袋も生み出すことが出来ない。しまいには、力つきてしまって、桜はぐったりする始末。7時30分(19時半)先生に「袋をぶら下げたままなんですけど・・・」と8時(20時)に病院で待ち合わせをする。それから、病院へ行くために準備をする。ちょっとした瞬間に、破水の袋も、その前の袋も破れてしまい、慌てる。

8時10分(20時10分)
車内で何かがあったら困るために、弟の運転で母と私が乗り合わせ病院へ到着。そのまま処置室に行く。陣痛が弱いことで、桜の踏ん張る力が弱い。赤い液体の入った袋は子供が入ってるべき袋で、それが敗れてしまったために、子供の滑りが悪く産道へ上手に入れないことが判明した。9時まで努力して、ダメだったら帝王切開に切り替えることになった。人口羊水を90ml、桜の体内に注入。陣痛促進剤を注射。桜の力みに合わせて子供を引っ張るように、先生が桜の体内に指を入れて、子供を探る。ようやく桜が踏ん張りだした。

8時45分(20時45分)
桜の踏ん張りで、先生の指に子供の足が触れる。それを、先生が掴み、桜の力みに合わせて引っ張り出す。

無事、男の子を出産(黒)



半分だけ袋に包まれて生まれた子。やっぱり、あの袋はこの子の袋だったんだとわかった。元気な子だった〜〜〜♪タオルにくるまれて渡されたとき、感動なんてもんじゃなかった。しかし・・・先生は、折角私の手元に来た子供なのに「子供はお母さんに渡して、あなた(私)は桜ちゃんをしっかりと抑えてあげて!」とすぐに引き離される羽目になった・・・(笑)母は、生まれた子の小ささに驚いた。驚きのあまり子供を手に出来ない感じだったので、子供は弟に預けた。

8時55分(20時50分)
先生が内診したら、2匹目の足を先生が掴んだ。これまた引き出す。

男の子出産(黒)

1匹目は出てきたと同時に足をバタバタさせて、袋を破りタオルで体を拭いた時点で泣き声をあげたのに、次の子は、動かない。まったく動かない。その時点で、心音がないこと、呼吸がないことを先生に告げられたが、先生の奥さんが、子供の体を振ったり、叩いたり、ゆすったり。先生が注射をしてくれて、子供の口?鼻?に口をつけて羊水を吸い取ったりしてくれたが、息を吹き返すことはなかった。私はショックを受けたよ。先生には「ショックだけど、次の子が生まれちゃうんだから、頑張らないと」と励ましてくれた。そして、その子は、私にではなく、私の見えない場所で、母に奥さんが手渡してくれた。

レントゲンでは、逆子が2匹だったわけ。先生が取り上げてくれた子は、2匹とも逆子だったので、残りは頭から出てくるけど、自宅で産む?病院で産む?と言われ、次の子が生まれるまでに30分以上はかかるって言うので、自宅で産むことにした。

9時20分(21時20分)
車の中。私に膝の上に座ってた桜が踏ん張った。もう少しで家ってところで、膝が妙に温かいことに気がついた。何?と思って電気をつけると、出てきちゃったよ!!!!子供。みたいな。しかも、逆子。私はすごくパニックになったよ。妙に子供が熱かったのに驚いたし、へその緒の処理はどうするの?とか妙に変なことまで考えてさぁ。(笑)桜の力みに合わせて袋ごと引っ張ったんだけど、ツルツル滑って全然意味なくて、泣きそうな声で「引っ張れない」って叫んだら、弟に「袋破って引っ張れ」って叫ばれて、助手席に乗ってたオカンが後ろを振り返り、桜を抑えてくれて、子供と胎盤が私の足に落ちた時に家に着いた。

男の子出産(黒)



車の中で全部の袋を破って、タオルで体を摩擦しながら、玄関まで運び、そこでへその緒の処理をした。その間に弟が、桜を横にならせるために座布団を玄関に持ってきてくれた。見分けがつくように、1番目の子に緑のヒモをつけ、3番目に黄色のヒモをつけようとした瞬間だった。

9時30分(21時30分)
オトンが何か出てきた!と叫んだので、桜を見ると、今度はちゃんと頭から子供が出てきた。今度は助産せずに子供が生まれたから、助かった。

女の子出産(フォーン)



袋を見て驚いたことは、その子が袋の中でシルバーっぽく見えたこと。黒しか生まれないと思ってたものだから、この子は誰???って思ったよ。袋を破ってみたら、トラ柄みたいに見えて、皆に「これって何?」って聞くと、家族中がビックリ!体を拭いて明るい場所で色をよく観て、家族中感動。(笑)ぶぅは、黒家系だし、桜もがっちゃんに鈴ちゃんは黒だから、黒しか生まれないって誰もが思ってたから、余計に感動もでかかった。生まれたのが女の子だったし、フォーンだったから、黄色をつけるはずの3番目は、ヒモをつけることを辞めたが、当分の呼び名は黄色に決定した。女の子が生まれたら、ピンクのヒモをつける予定だったので、ピンクが呼び名になるはずだったのに、私が勝手に「マーブル」と呼ぶことにした。毛が乾き始めたら、トラ柄は、間違いで、ウリ坊みたいな柄になった。

とりあえず、3匹揃って桜のミルクを飲ませた。体重を量るのを忘れて、ミルクを飲ませてから計ったので、生まれた体重とはかなり違いがあるけど・・・桜は自分が子供を産んだことを、認識出来ていないようだった。子供を桜に近づけると、桜は顔を背ける。しかし、体は知っているらしく、ミルクを飲ませると、飲みやすい体制を作ってくれる。これから、ちょっとづつママになろうね♪



みどり・・・204g
きいろ・・・205g
ピンク・・・172g

だった。全部が200g未満で生まれてきたと予測される。

そうそう。玄関でのお産は、パパであるぶぅも立会いました。桜のそばをグルグルしてました。(笑)