残務整理

ご近所の方が亡くなった。いい「先生」だった。私は生徒と教師と言う関係になったことはない。でも、あの方は「先生」だった。病気が発覚したのは約10年前。辛かったと思うし、苦しかったと思う。先生は言った。「最初は、どうして?って考えたけど、今はこうなってよかったこともあるのよ」と。私はその言葉を忘れない。私が入院して退院した直後に言った。「一緒にお茶を飲みましょう」と・・・それは、本当にお茶を飲む行動を示してるんじゃなく、一緒に頑張ろうって意味だった。

私はその先生の言葉が好きだった。先生の口から出る言葉はいつも笑顔をくれる。犬友達だったりもした。先生が犬の散歩をしてる姿を見るのが好きだった。私が犬の散歩をしてると、いつも玄関から出てきてくれて、お互い「今日も元気ね〜」と私達にしかわからない発言をする。

先生と母とは大親友だった。定期的に、先生のお宅にお邪魔してお茶を飲み楽しそうだった。母は口にしなかったが、相当ショックを受けているみたいだった。

そんな状態の中、両親に現実を告げた。まずは父に「就職しないことした」と告げた。父は怒らなかった。冷静な声で「次は何がやりたいと頭を下げるんだ?」と・・・「お前は本当にバカとしか言いようがない」と・・・その2つだけで、父が何を言いたいのかわかる。「とりあえず、この話は後日だ」ってさ。どうしようもない娘だよねぇ。本当に。

母に告げたとき、泣かれたさ。「夢を捨てちゃうの?」って・・・心の中で、私は泣きたいのはこっちだよ!とか思った。そりゃ〜そうだよねぇ。君の言いたいことはわかるが、現実は運が悪かった。(笑)説得までされました。「まだ就職の約束までに期日があるんだから、それまでゆっくり時間をかけて考えて、就職して頂戴よぉ〜〜」

両親に伝えるのが何よりも怖かった。私の未練も大きかったけど、何よりも両親に言わねばならぬ現実が怖かった。ごめんね。お父さんとお母さんに嘘をつくために今の就職を決めたわけじゃないし、就職に関しての約束も軽い気持ちでしたつもりじゃなかったの。今の状態で、親からの信頼を再度取り戻すのは簡単じゃないと思うが、また頑張って行くからゴメンネ。

就職先を探すのは一旦お休みすることにしました。